能登半島地震から1年9ヶ月―和倉温泉の創造的復興の現場を訪ねて
2025年10月15日〜16日、株式会社riverの視察ツアーとして、能登半島・和倉温泉地域を訪問しました。2024年1月1日に発生した能登半島地震から約1年9ヶ月が経過し、被災地では今、単なる復旧を超えた「創造的復興」への挑戦が本格化しています。
小坪は、昨年12月に訪問して以来、2回目の視察訪問となります。
1回目の訪問記は文末にて。
2025年3月18日に都内で行われた復興プランの発表イベントでの出会いを通じて、小坪が和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会の事務局アドバイザー(官民連携・企業版ふるさと納税担当)として関わらせていただいています。
能登地方の現状
初日は輪島・珠洲・仲町エリアを中心に視察を行いました。輪島の朝市通りは、かつての賑わいを取り戻すべく、更地となった区画の再建計画が進められています。昔の写真と比較すると見る影もない状況ではありますが、地元の方々の復興への強い意志を感じることができました。
課題と展望
およそ20軒の旅館のうち、8割が70歳以上の経営者であり、全てが一族経営です。世代交代と事業継承をどう進めるかが大きなテーマとなっています。
現在、7軒ほどの旅館が営業を再開していますが、町の風景を構成する大型旅館の大半は解体して再建設されることが決まっており、温泉街の風景も大きく変わることになります。
復興プランでは、2030年、そして2040年を見据えた長期的な視点が示されています。東京都立大学の川原教授の言葉を借りれば「役に立つ過去を生かして、懐かしい未来を描く」――過去の豊かだった時代から学び、しかし単なる復古ではなく、先端的で魅力的な温泉地を創り上げていくという、創造的復興の真髄がここにあります。
株式会社riverとしても、この和倉温泉の取り組みから多くの示唆を得ることができました。地域の課題に向き合い、住民自らが未来を描き、それを実現していく――このプロセスこそが、持続可能な地域づくりの本質であると改めて実感した視察となりました。
今後も、能登地方の創造的復興を見守り、微力ながらも支援できる形を模索してまいります。
和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会
https://wakura.org/
一回目の訪問記
https://cpriver.jp/2024/12/14956/

隆起が激しく寸断された道路を絶景海道としてリニューアル。すでに開通しており、走行できました。

千枚田の一部が田んぼとして再生されていました


和倉温泉街にて

輪島塗の工房にて。